読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

SASANAMI DAYS

近江大津宮にまつわる云々 とか趣味のこと とか

夢の奥城(著・長岡良子)

 その昔、クレセント(長岡先生ファンサイト)内で作品紹介を掲載したときに、私が担当させてもらった時のものです。

この作品は今でもマイバイブル。

その他の作品も今後書いていきます。

 

------------

「夢の奥城」 著・長岡良子

<主な登場人物> 倭姫王(天智天皇皇后)

        中大兄皇子(クールビューティv素敵です)

        間麻呂(架空の人物ですが、物語の牽引役。大海人皇子の舎人)

        千古 (間麻呂の妻。倭姫の侍女)

<その他の人々> 由伎賣(倭姫の乳母)

        有間皇子(倭姫の初恋の人として登場します)

        造媛(中大兄の第一妃ですが、高飛車です)

        額田女王大海人皇子妃から中大兄妃となった女性)

        大津皇子天智天皇の孫で、天武天皇の子)

        大伯皇女(大津の姉。いじらしくて可愛いv)

<あらすじ>

天智天皇の皇后であった倭姫王の物語です。 50P×4回という形で連載されましたが、1・少女時代、2・中大兄妃となってから、 3・皇后位に立ってから、4・天智天皇崩御後、という構成で話は進みます。

 1.父・古人大兄皇子を中大兄皇子に討たれた倭姫王は、乳母の由伎賣と共に静かに暮らして  いましたが、ある日、造媛によって辱められ、絶望を感じて自害を試みようとしたところを  間麻呂によって救われます。

 2.意に沿わぬ形で中大兄妃となった倭姫ですが、斉明女帝の崩御白村江の戦いを通して  中大兄に対する思いが愛へと変わっていったことを自覚します。

 3.近江大津宮に遷都し、皇后となった倭姫のところに、大伯・大津の姉弟がやってきます。  母を失った彼らの母代となるように頼まれ、始め反発していた姉弟でしたが  やがてうちとけるようになり、倭姫もかつてなかった平安を見いだします。

 4、しかし、天智天皇崩御し、壬申の乱が起きます。人々は廃都となった近江から  大和へと帰る事になります。その時に倭姫の選んだ道は・・・ 

   

<ココがいい!>

中大兄皇子をとりまく女性3人の生き方の違いがはっきりと描かれていて興味深いです。 父の古人大兄皇子を殺され、さらには初恋の人というべき有間皇子までも死に追いやられて 憎んでいた中大兄に嫁すことになった倭姫。 冷酷で非情と思われた中大兄の実は孤独で情愛の深い一面を知り、次第に憎みながらも 愛するようになります。 一方、造媛は中大兄との間に3人の子をなし、第一の妃として栄光を享受しながらも 後に夫・中大兄に一族を滅ぼされ、あっけなく儚くなってしまいます。 また額田女王は、弟から兄へ譲り渡されるという立場にありながらも 自分の意思で愛し生きていこうとする肝の据わった大人の女性として描かれています。 それぞれの女性が通った道を思いながら読んでみると 歴史漫画という枠を越えて共感できるものがあります。 長岡先生は架空の人物を絡めて話を作り上げることが本当に上手いと思います。 主人公は倭姫王なのですが、ストーリーは間麻呂に始まって間麻呂に終わっています。 皇族や貴族でない一般庶民の彼らを間に挟むことで、物語に厚みが増しています。